「水土里」の各文字にはちゃんと意味があります。
・・・農業用水などを表します。
・・・土地や農地、土壌などを表します。
・・・農村空間や農家、非農家の居住空間を表しています。
 また、水土里(みどりグリーン)は自然を表し、豊かな自然環境や美しい景観、おいしい、おいしい空気など自然にはかかせないものにもつながっています。
 水土里ネットは約40万kmに及ぶ水路のネットワーク、人、物、情報のつながりにより、農家だけでなく地域住民と連携して国民共有の財産である美しい農村を創造していこうという意思を表しているのです。
○農業用施設って?
 農業用施設とは、農業に必要な施設として国・県・地元農家の人たちのお金で造られたダムや頭首工、水路、ポンプ場などのことです。
○農家のためだけの施設?
 いいえ農業用施設は、農業生産活動を通じて過去から引き継がれた国民共有財産です。
 例えば、農業農村では米や野菜、肉などの食料の生産の他に、都市化、混住化が進む中、防火用水などの地域用水機能や景観保全機能など地域住民の生活に密接に関連し、農業以外のさまざまな役割を担っています。これらの役割は「多面的機能」といわれています。県内の多面的機能をお金に換算すると年間約1,900億円にもなると試算され、県内農業粗生還額の70%にもなります。
 この多面的機能はいままでほとんど強調されてきませんでしたが、今後は非農家や地域住民も一体となって土地改良区の管理する施設を守り、水環境を通じた町づくりや、水の運用を通じた地域農業の活性化と地域住民の生活と自然環境とのつながりに深くかかわっていきたいと考えております。
洪水防止機能 水田や畑、ため池などが大雨の時に雨水を一時的にたくわえ、洪水被害を防止、軽減する働き。
土砂崩壊防止機能 水田の水張りにより地下水を安定させ、地滑り等の土砂崩壊を防止する働き。
水資源かん養機能 水田の用水や雨水が田畑から地下浸透し地下水源を除々に養い、長時間をかけて河川に帰すなど、河川の流れを安定させる働き。
大気浄化機能 農作物などの植物や土壌が、大気を浄化する働き。
A教育・文化機能
生態系保全機能 水田や水路、ため池などが多様な動植物の生息地となるなど、自然環境を保全する働き。
情操教育機能 農業の体験学習や自然観察を通じて子供たちが自然とふれあい、豊かな心を育てる働き。
伝統文化保存・継承機能 農業古来の営みによって伝えられてきた、芸能・祭り、食文化、農業技術など、地域固有の伝統的な文化を保存・継承する働き。
B生活環境改善機能
地域用水機能 農業用水路は、防火用水や冬季間の消流雪水、家庭雑廃水の受け入れ等の地域の生活に密着した働き。
Cアメニテイ―機能
伝統文化保存・継承機能 農業の営みと周辺の水辺や山里が一体となってかもし出す美しく心豊かな景観を形成し、保全する働き。
@国土保全機能
農業用施設の多面的機能

 私たち土地改良区は、1949年に制定された土地改良法によってできた、農家の人たちでつくる組織です。
 農業をされていない方にはなじみのない組織かもしれませんが、≪土地改良区≫は、全国でおよそ7,000地区あり、約300万人の農家の方々が組合員として参加し、その組合員の方々から徴収した組合費(賦課金)で農業用施設などの管理をおこなっています。
 私たちは地域により開かれ、より身近に感じてもらえる改良区をめざし、
『21世紀土地改良区創造運動』を全国で展開しています。その一環として土地改良区にふさわしい愛称を広く募集しました。その結果、全国から22,254点の作品が集まり、有識者などで構成された『土地改良区の愛称を考える会』で検討を加え、全国各地で意見交換、土地改良区などによる全国投票を経て最終決定された愛称が『水土里ネット』です。